Chrome拡張のストア公開ガイド — 必要なものと手順(初公開の学びつき)
Chrome拡張をChrome Web Storeに初めて公開したときのメモ。2本目を出すときに迷わないよう、準備が必要なものとデベロッパーダッシュボードのページごとの入力内容を具体的にまとめておく。
全体の流れ
- デベロッパー登録($5・初回のみ)+ アカウント設定(連絡先メール・取引業者申告)
- 素材の準備(アイコン・スクリーンショット・プロモタイル・説明文・プライバシーポリシーページ)
- 拡張をビルドしてzip化
- ダッシュボードで「新しいアイテム」→ zipをアップロード
- 「ストア掲載情報」「プライバシーへの取り組み」「配布」の3ページを埋める
- 審査に提出(初回は数日程度)
- 公開後の確認(ストアページ・統計)
準備するものチェックリスト
先に一覧。詳細は後述の各ページの節で。
必須(ないと提出できない)
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| デベロッパー登録 | $5(買い切り)。Googleアカウントがあればすぐ |
| 公開用の連絡先メール | ストアに公開されるので専用アドレス推奨。確認メールの認証が必要 |
| 取引業者/非取引業者の申告 | 収益化しないなら「非取引業者」 |
| manifest(zipに含まれる) | 名前・説明(132文字以内)・バージョン・アイコン16/32/48/128 |
| ストアアイコン 128x128 | PNG。実際の絵は96x96で周囲16pxは透過の余白にする規定 |
| スクリーンショット 1280x800 | 最低1枚(最大5枚)。640x400でも可だが1280x800推奨 |
| カテゴリ・言語 | ストア掲載情報で選択 |
| 詳細説明 | ストア掲載情報のテキスト。何ができるかを具体的に |
| 単一用途(single purpose)説明 | 「この拡張は◯◯をするためのもの」を1〜2文で |
| 権限ごとの使用理由 | 要求する権限すべてに「なぜ必要か」を書く欄がある |
| データ収集の申告 | 何を収集するか(しないなら「収集しない」にチェック)+限定的な使用の証明 |
必須ではないが、あった方がいいもの
| 準備するもの | 理由 |
|---|---|
| 小プロモタイル 440x280 | 形式上は任意扱いだが、ないと掲載順位が下がると公式に明記。実質用意すべき |
| プライバシーポリシーURL | データ収集しないなら必須ではないが、あると信頼感が出る。自サイトに1ページ置くだけ |
| スクリーンショット2枚目以降 | 機能ごとに複数あると伝わる。日本語版と英語版を分けるのも手 |
_locales での多言語化 |
表示名・説明を __MSG_*__ で6言語化。説明は全言語132文字以内(1言語でも超えるとアップロード時に弾かれる) |
| ホームページURL・サポートURL | 掲載情報の追加フィールド。自サイトやハブページへの導線になる |
不要だったもの
| 項目 | 理由 |
|---|---|
| マーキープロモタイル 1400x560 | マーキー枠(大規模プロモ)に載る場合のみ。個人開発の初公開では不要 |
| YouTubeプロモ動画 | 任意。なくても審査・掲載に影響なし |
| 公式URL(確認済みサイト) | Search Consoleでのサイト所有権確認が必要。後からでも設定できる |
| 有料設定 | 無料配布なら関係なし |
ページごとの入力内容
アカウント(ダッシュボード全体の設定)
- 登録料: $5(買い切り)。支払うとアイテムを登録できるようになる
- 連絡先メールアドレスはストア掲載ページに公開される(非公開にはできない)。個人アドレスをそのまま載せたくないなら公開用アドレスを別に作る
myname+support@gmail.comのようなエイリアスは元アドレスが丸見えなので意味がない。別アカウントを作る- ログイン用アカウントと公開用連絡先は別々に設定できる
- 設定後、確認メールの認証を済ませないと提出できない
- 取引業者/非取引業者の申告(EU規制対応)。収益化しないなら「非取引業者」でよい。取引業者にすると住所公開などの義務が増える
パッケージ
- ビルド成果物をzipでアップロード。manifestの必須項目(名前・説明・バージョン・アイコン)が欠けているとこの時点でエラーになる
- manifestの説明文は132文字以内。
_localesで多言語化している場合は全言語分チェックされる - 開発・テスト用のビルド(デバッグ用に広い権限を付けたもの等)を間違えて上げない。権限が増えるほど審査は重くなる
ストア掲載情報
- 説明: 詳細説明を書く。何ができるか・使い方を具体的に。自サイトやハブページのリンクを載せるのも可(規約違反にはならない)
- カテゴリ: 1つ選ぶ(後から変更可)
- 言語: 掲載の基準言語。
_localesがあれば言語ごとに説明・スクショを出し分けられる(プロモタイルはローカライズ不可) - グラフィック素材:
- ストアアイコン 128x128(必須)
- スクリーンショット 1280x800を1〜5枚(必須)
- 小プロモタイル 440x280(実質必須。上述)
- マーキー 1400x560・YouTube動画(不要)
- 追加フィールド(すべて任意): ホームページURL / サポートURL / 公式URL(要サイト所有権確認)
プライバシーへの取り組み
審査で一番見られるページ。ここが曖昧だと差し戻される。
- 単一用途の説明: 拡張の目的を1〜2文で。「◯◯を△△するための拡張」と言い切る
- 権限の使用理由: 要求する権限1つごとに入力欄がある。「
activeTab: ユーザーがポップアップから実行したときに現在のタブの表を読み取るため」のように具体的な動作と結びつけて書く- 権限が少ないほど審査は軽い。
activeTab+scriptingで済むなら、ホスト権限(<all_urls>等)を要求するより通りやすい
- 権限が少ないほど審査は軽い。
- リモートコード: Manifest V3では原則使わないはず。「使用しない」を選ぶ
- データ収集の申告: 収集する項目にチェック。何も収集しないならその旨+「限定的な使用」の証明にチェック
- プライバシーポリシーURL: データ収集しないなら空でも提出できるが、用意しておくと無難
配布
- 支払い: 無料
- 公開範囲: 公開(テスト配布なら「限定公開」= リンクを知っている人のみ、も選べる)
- 配布地域: 全地域でよい
審査
- 初回審査は数日程度だった(権限構成が軽い場合)
- 権限ごとの説明が薄い・要求権限が広いと時間がかかる/差し戻しになりやすい
- 差し戻されても修正して再提出すればよいだけなので、過度に恐れない
公開後の「信頼されていません」警告
公開直後、ストアページに「この拡張機能は、セーフブラウジング保護強化機能で信頼されていません」という警告が出て焦った。調べた結果:
- これは新規デベロッパー全員に自動で付くもので、拡張の中身は関係ない
- 表示されるのはChromeの「保護強化機能(Enhanced Safe Browsing)」を有効にしているユーザーのみ。デフォルトの標準保護では出ない
- デベロッパー側で消す手段はなく、ポリシーを守って数ヶ月運用すると自動で解除される(公式フォーラムでもDevRelが「時間が解決する」と回答している)
つまり放置でよい。
公開後の計測
- Manifest V3ではリモートスクリプトが禁止なので、GA4(gtag.js)による計測はできない
- インストール数・週間ユーザー数はデベロッパーダッシュボードの「統計情報」を見る
まとめ
- 素材で事前に作るのは4点: アイコン128 / スクショ1280x800 / 小プロモタイル440x280 / 説明文(132字のmanifest用と詳細説明)
- アカウント側で先に済ませるのは3点: $5登録 / 公開用メールの認証 / 非取引業者申告
- 審査対策は「権限を最小にして、権限ごとの理由を具体的に書く」に尽きる
- 公開直後の「信頼されていません」警告は仕様。放置でよい